「囲い込み」とは何か?
「囲い込み」とは何か?

不動産業界の“見えにくい仕組み”をわかりやすく解説します
家を探していると、
「ネットに出た瞬間に売れてしまった」
「問い合わせたのに、もう契約予定と言われた」
そんな経験をした人も多いと思います。
その背景で、よく話題になるのが
「囲い込み」です。
今回は、
・囲い込みとは何か
・なぜ起きるのか
・売主・買主にどんな不利益があるのか
・良い仲介会社を見分ける方法
を、現場目線でできるだけわかりやすく解説します。
そもそも「両手取引」とは?
不動産仲介会社は、通常「仲介手数料」で利益を得ています。
例えば、
売主と買主両方の仲介を1社の不動産会社が行う取引を
「両手取引」と呼びます。
一度の取引で売主と買主両方から仲介手数料をもらえるため、
仲介業者にとって非常にうま味のある取引です。
一方、
売主側だけ、あるいは買主側だけの場合は「片手取引」と呼ばれています。
両手取引は、利益相反につながるとして、
アメリカをはじめ、多くの国で厳しく禁止されていますが、
日本では、禁止されていません。
そのため、日本の不動産業界では、
この「両手取引」の割合が非常に高いと言われています。
囲い込みとは?
囲い込みとは、
「他社に物件を紹介させず、自社で買主を見つけようとする行為」
のことです。
例えば、
- 他社から問い合わせが来ても「商談中」と断る
- 情報公開を遅らせる
- レインズ(不動産業者間専用の物件情報サイト)登録を限定的にする
など。
目的はシンプルで、
“両手取引”にしたいからです。
買主にとってのデメリット
良い物件に出会いにくくなる
本来なら紹介できるはずの物件でも、
他社経由では見せてもらえないケースがあります。
つまり、
市場に出ているようで、
実は自由に流通していない。
これが、一般の人には見えにくいポイントです。
判断を急かされやすい
「問い合わせがたくさん来ています。」
「他にも申し込みがあります」
もちろん本当にそういうケースもあります。
ただ、囲い込みが絡むと、
情報の透明性が低くなることがあります。
売主にとってのデメリット
売却チャンスを減らす可能性
本来なら、
- 他社に仲介をお願いしているお客様
- 条件の良い買主
に届く可能性があった物件でも、
流通を狭めることで機会損失になることがあります。
結果的に価格競争が起きにくい
広く公開されれば、
購入希望者が増え、
条件競争が起きることがあります。
しかし囲い込みが強いと、
比較対象が減り、
売主に不利になるケースもあります。
「囲い込み=全部悪」ではない
ここは誤解されやすい部分です。
実際には、
- 情報管理
- 売主の意向
- 取引安全性
- 調整のしやすさ
などから、
同じ会社がまとめた方がスムーズなケースもあります。
問題なのは、
「売主・買主に十分説明されず、会社都合だけで流通が制限されること」
「売主又は買主どちらかの意向に偏った取引になる可能性があること」
です。
気を付けるべきポイント
売主の場合
- 1社だけに絞らない
- レインズ登録証明書を確認する
- 「どこに広告掲載するか」を確認する
- 他社からの案内状況を聞く
買主の場合
- 「紹介できない理由」を聞く
- 情報開示が丁寧か確認する
良い仲介業者を見つけるには
結局、大事なのは
「両手取引か、片手取引か」だけではありません。
本当に見るべきなのは、
- 情報を隠さないか
- メリットだけ言わないか
- リスク説明をするか
- 急かしすぎないか
- 透明性があるか
です。
不動産は、
ほとんどの人にとって人生最大級の買い物。
だからこそ、
“物件選び”より先に、
“仲介会社選び”が大事なのかもしれません。

